vendredi 17 février 2012

左岸のピアノ工房で現代を語る


Pianoforte-Jolly


午後からカフェで読んでから、パリ左岸にあるピアノ工房を訪問

年代物のピアノの調律や修復をされているのは、ご主人のフィリップ・ジョリーさん

哲学にも詳しいとのことで、お話を伺いに出掛けた

扉が閉まっているので帰ろうとしたその時、中から調律されていないピアノの音が聞こえたので再び玄関へ

ムスターシュが魅力的なご主人が現れた

日本人ピアニストのマキさんが教えを受けているところだった





早速お話を伺ったが、熱を持った語りはなかなか止まらない

フランス人は哲学が義務付けられているので、とはジョリーさんの言

ハイデッガーさんをよく引いていた

お話のポイントは、わたしの現在の認識と共通するところが多い

ピアノの技術は19世紀には完成し、それ以降は小さな工夫はあるものの進歩はない

寧ろ、退歩しているのではないか

その理由は、昔は確かにあった一つ一つのピアノが持つ個性が失われたこと

結局は、そこに価値を見出す人が減ってきたためだろう

これはピアノに限った現象ではない

すべては人間が考えなくなったためではないかと見ている (réfléchir という言葉を使っていた)

科学についても同じで、水俣や福島のことも例に出てきた

一つ一つの個性を大切にしない精神状態は、人間に対しても向かっているはずである

今、求められているのは、レフレクシオンではないだろうか







現世から離れ、時間が止まったような空間に身を置いても以前であれば感じたであろう違和感はない

それどころか、心地よささえ感じる

先日のらっこ様の御宣託ではないが、明らかに変容したのだろう





この世界、少し中に入るとわからないことばかりというジョリーさん

驚きの目で生きていきたいものだと改めて思う

たっぷりお話した後、マキさんとジョリーさんに記念撮影をお願いした




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