オランダとフランスのエスプリ

Weide met koeien (1902-1905)

(Pasture with cows)

Piet Mondriaan (1872-1944)

（Gemeentemuseum Den Haag）

ピエト・モンドリアンという画家

これまで何気なくイタリア人だと思っていた節がある

今回、そのことに気が付いた

彼の抽象画は画集で観た方が落ち着くところがあるという印象を持っていた

その印象は今回も変わらなかった

ただ、このような絵を描いていることは知らなかった

抽象に近づきつつあるとでも言うのだろうか

それにしても、長閑な景色だ

デン・ハーグ市立美術館所蔵になる

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6月号の 「医学のあゆみ」 でこの春までコレージュ・ド・フランスの教授だったフィリップ・クリルキーさんの本を取り上げた

Le Temps de l'altruisme （2009）

『利他主義のとき』

安定したシステムを維持するためには人の善意に頼るのではなく、義務としての利他主義が必要だと説いている
善意は施されることもあるし、そうでないこともある
善意はその背後にある悲惨を覆い隠す効果もあるからだ
また、この世界を理解する時には単なる知の追求だけでは不十分で、そこに倫理の支えがなければならないとも説いている
エッセイは、この主張に触れて始まった瞑想の跡を纏めたものである

先日、そのエッセイをクリルスキーさんにお送りしたところ、丁重なお礼の返事が届いた

その中に、病気などが再発するという意味の "récidiver" という言葉を使っている文章があり、思わずニンマリする
昨年、また本を出してしまいまして、というニュアンスが滲み出ていたからである

こんな言葉の選び方
これなどはフランス的な奥ゆかしさ、エスプリと言えるのだろうか

Le Manifeste de l'altruisme （2011）

『利他主義宣言』

まだ手にしていないが、前著よりはさらに一歩進んでいそうなタイトルである

 こういう本を味わう余裕は今の日本にあるのだろうか

翻訳される方が出てきてもよさそうである