vendredi 15 juin 2012

「それ以外」 の世界が広がると見えてくるもの

 烏山一先生 (東京医科歯科大学)


今日は朝から予想外に集中できたようだ
拡散から集中にハンドルが切れているように感じる
まだ3つくらいのことを相手にしている状態だが、それぞれが飛び散っていかないようにしている
地上に降りてもそのことに抵抗がなくなっているように見える
よい傾向ではないだろうか

夜は現役時代に同じプロジェクト研究をしていた烏山さんとディネをご一緒した
スイスの学会の後、パスツール研究所を訪問されたとのこと
お忙しい中、お時間を割いていただいた
その心を伺ってみると、こういうことのようである
このような変わった道に入った人間が一体どういうことを考えて生きているのか
そのあたりを探ってみたい、ざっくばらんに哲学談義をしてみたい
ということになるのだろうか

日本の忙しい現実の中にいると、なかなかそのような時間が取れないという
そのような話をしていないからと言って、興味がないわけではない
形には現れていないからと言って、心がないわけではない
その心を簡単には表現できない状況に置かれているに過ぎない、ということになるのだろうか
この道に入り、いろいろな方とお話をして感じることは、まさにこのことである

 現役の時には想像できなかったような話題に花が咲いた
印象に残ったことは、終始強調されていた曖昧さや泥臭さ、言葉は悪いがいい加減さの大切さであった
余りにもきれいな世界、コントロールされた世界への抵抗感だろうか
当然のことのように、烏山さんの恩師になる多田富雄先生のことや日本の現状にも話が及んだ

 また、拙エッセイも読んでいただいているとのこと
行間から何か香りが漂ってくるようだとの評はワインのせいだろうが、新鮮に映るというのはよく理解できる 
益々ドライになる研究論文や事務関係の文章に埋もれていると、それが自然な反応だろうと想像できるからだ
科学者を取り巻く状況から人間的な要素が削ぎ落され、管理された潤いのない世界になっているように見えるからでもある

ご本人の言によると、齢を重ねるごとに 「それ以外」 の世界の大切さを感じるようになってきたとのこと
このような変化も感受性を上げているのかもしれない
これからも哲学談義ができそうな期待を抱かせてくれる時間となった
研究も順調に進んでいるようにお見受けした
益々のご活躍を期待したい








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