samedi 16 juin 2012

ユングさんとフロイトさん再び

 カール・ユング (Carl Gustav Jung、1875-1961)


昨年末に観た映画 A Dangerous Method は日本ではまだ公開されていないのだろうか
ル・モンドの特集雑誌の記事を目にして、そんな疑問が湧いていた
この記事では、ユングさんとフロイトさんの思想について簡単に触れている
映画で感じ取ったのは、精神分析という学問の捉え方に両者の大きな違いがあることだった
1913年の訣別の背後にはこれがあるのではないか
ぼんやりとそんなことを考えていた

ユングさんは子供の頃から自然の中で恍惚を味わい、汎神論への嗜好があったという
 そのため、牧師の息子として育った彼は、プロテスタントの信仰と汎神論との間で引き裂かれることになる
ただ、公式にはキリスト教信者であると宣言していた
師フロイトさんとの訣別は、宗教の問題、神話をどう扱うかの問題が原因だとこの記事では言っている
この訣別後、ユングさんは重い鬱に陥り、その様子は 「赤の書」 で窺うことができる

 それとは別に、人間は性と精神性という二つの力によって導かれていると彼は考えていた
精神性とは天空の女性的なものであるのに対し、性とは地上の男性的なものを指している 
われわれの日常における両者の違いを理解した上で、この二つを結びつけることを彼は目指した

プラトンの官能と聖パウロの無条件の愛アガペー
 この二つとともに未知なる神を求めて長い道なき道を歩むのが人間であると彼は結論する
そのため、彼はあらゆる宗教に目を向ける
鈴木大拙との接触で発見した仏教、中国の老荘思想、インドやエジプト、さらにアメリカインディアンの宗教にまでも

彼自身は神の存在は信じていなかったようだが、神のようなイメージが精神に生まれることには興味を示した
 われわれの精神は本来的に宗教的なものだと常々語っていたという


ジークムント・フロイト (Sigmund Freud, 1856-1939)


一方のフロイトさんはハンブルグの偉大なるラビの末裔である母を持つユダヤ教の家庭に育った
しかし、早くからすべての宗教に対して強い反発を覚える
結局のところ、宗教は不安に対する防衛システムでしかないと彼は見たのである
これが自分の後継者と考えていたユングさんとの訣別の原因になった
ロマン・ロランさんが言う le sentiment océanique (宗教を超えた神秘的な感情)をフロイトさんは理解できなかったという
神秘的なものは蒙昧主義に繋がるもので、宗教は間違った理想化であると考えていた
そして、自らをユダヤの無神論者と規定していた


ユングさんとフロイトさんの対立
それは現代人の世界の観方における対立の一つの型を表しているようにも見える






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