vendredi 8 novembre 2013

対象の客体化の強度

(HHMI, Yale University Medical School, USA)


本が届いたとのことで、午後から街に出る

リブレリー巡りをしているうちに、またいくつか手に入れることになった

最近はすぐに必要だというよりは、いつかのためというニュアンスが強くなっている


夕方からはパスツール研でセミナーを聴く

2年前のノーベル賞にも関係する仕事をされている免疫学者ルスラン・メジトフ(Ruslan Medzhitov)さん

宿主の防御メカニズムについて発表していた

お生まれは、ウズベキスタンの首都タシュケント

モスクワで教育を受け、生化学の学位を取った後、カリフォルニアに渡り研究を継続

ポスドクとしてチャーリー・ジェーンウェイ(Charles Janeway, 1943-2003)博士の研究室で免疫学を始める

これが運命の出会いとなった


キャリアの最初から免疫学を専攻していたのではなく、外から広く読み、考える時間を経て入ってきた方である

このような場合、その領域を客体化して見ることができるようになる頻度が高いような気がしている

そのため、概念的な把握に優れていたり、その領域の大問題を見つけることに長けている人が出ることがある

 今日のお話もそのような特徴が表れたものだった

敢えて言えば、哲学的な研究者ということになるだろう


対象の客体化という問題、丸山健二氏の話とも繋がってくる

日本人の文章は情に流されることが多く、抑制を欠いていると言っているところがあった

それは対象の客体化の程度が低いことが原因で、元を質せば個人の自律の反映であると分析していた

つまり、自律した個人でなければ抑制のきいた文章が書けないことになる

対象をどれだけ離れたところから観ることができるのか、という問題に帰着するのだろう





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