vendredi 8 août 2014

シャルトル五日目も雨、街に出て考える

 シャルトル大聖堂のアリストテレス


シャルトル五日目の今日も朝から雨

本当に心が鎮まる

午後から街に出てカフェに落ち着き、ぼんやりする

途中、かなり激しい雨となったが、その雨も楽しむ

 先日手に入れた大聖堂の彫刻の案内書は多くのことを教えてくれる

その形が魅了してくれる彫刻の数は数えきれない

 目には見えない謙譲や信仰や正義や博愛などの多くのものが形になっている

それから、学問の世界や当時は目には見えなくなっていた学者まで形になっている

文法、修辞学、弁証論、 幾何学、天文学、算術、音楽 ・・・


 興味が尽きない建造物である

今回の大きな発見であった


そのアリストテレスは、こんなことを言っている

この科学は直接実用に供するものを何も持っていない

今日同様その起源において、人間を哲学に向かわせるのは驚嘆と称賛である

 哲学は有用性を求めるものでないことは明らかである

自分自身のためにだけ働く人間を自由人と呼ぶように、この科学だけが真に自由なのである

なぜならば、哲学はそのものだけを対象にしている唯一の科学だからである

つまり、有用性の奴隷になることを拒否するからである


 しかし、時代とともに科学も変化を始める

政治・経済に取り入り、自らがその奴隷となるべく動くようになる

自由人であった本来の根を忘れ、生きるためと言って深く考えることなく、進んで奴隷になるのである

そして、その奴隷が評価されるような世界が展開することになる

それは、「・・・ のために」 という呪縛の中に生きることを余儀なくされる世界

その呪縛から解き放つのが、芸術的な営みや感受性が関わる「無用の用」ではないだろうか

それが見えない世界は、さぞ息苦しいだろう




夜、雨の中、街に出る

カフェに休み目を上げると、比較的新しい屋根の上に大聖堂の塔の上の部分が目に入る

雨に濡れ、ほとんど廃墟の佇まい

死んだ建物に見える

これまでには見せなかった姿で、驚く

遠くからロックのコンサートの音が流れてくる
 

それにしてもこれまでになく落ち着く町だ




Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire