mardi 16 septembre 2014

リュクサンブール公園を眺め、話題豊富な哲学談義

Dr Luc Fetler


今日は朝からランデブーのため外に出た

先週、キュリー研究所で研究されている方から問い合わせのメールが届いた

現在の科学が余りにも視野狭窄になり、科学者自身が自分のやっていることを捉えられなくなっている

 このような現状認識から、もう少し広い枠組みに科学を入れ直して考えてみたいと思うようになった

以前にわたしの仏英ブログを見たことがあり、同じような背景があるので参考意見を伺いたいとのことであった

 わたしは真面目な学生ではないので、哲学の研究をしようとする方の参考にはならないとお伝えした

それでも、ということで、リュクサンブール公園近くでのランデブーとなった


お話によると、医学部を出た後、生化学、癌研究と臨床、さらに免疫学との関連へと領域が変容している

また、精神分析にも興味があり、ラカンなどをご自分の時間に読んでいるとのこと

今考えている研究テーマは、癌と免疫が絡むものにしたいとのお考えであった

そのような方から、どのような研究テーマが考えられるかという問いが出されたのには驚いた

時間を限って研究したいとの意向が強いため、横道に逸れるのを避けたいからだろう

 それから、どのような人とコンタクトするのがよいのか、などの質問が続き、さらに驚く


どこで仕事をしているのか、と訊かれたので、図書館と何といってもカフェだと答える

すると、わたしのような人がさっきまで後ろで仕事をしていたとのお話

毎朝10時にこのカフェに顔を出し、2時間ほど隅の席で仕事をして帰るとのこと

イスマイル・カダレ(Ismail Kadare, 1936- ) というアルバニア出身の作家であった

現代哲学者について訊いたところ、アラン・バディウさんを挙げていた

この場で何度も取り上げている方なので、そのことにも驚く


どこから繋がったのか忘れたが、アレクサンドル・グロタンディーク(Alexandre Grothendieck, 1928-)という数学者

 「隠遁生活」という話からだったかもしれない

50年ほど前にフィールズ賞を受賞

20年ほど前からピレネー山脈での隠遁生活に入り、人には会わないという

鉛筆と紙だけがあればよい数学だから可能な生活だろうか


この他いろいろの話題が出たが、共通する問題意識があることがわかった

それから、日本人の鬱や自殺を研究している慶応大学の北中淳子さんのことが話題に出ていた

最近、ご著書が仏訳され、聞き間違いでなければパリでのシンポジウムにも参加されたようだ

De la mort volontaire au suicide au travail


わたしの話がどれだけ参考になったのかはわからないが、こちらにとっては貴重なお話がてんこ盛りであった





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